適応障害でも鉄道に乗りたい!!

子鉄ヤンヤン(小4)の父であり、実写版アラレちゃんの娘ミーミー(年長)の父が、仕事で適応障害に苛(さいな)まれながらも、それなりに鉄道や子育てを楽しみながら、地方鉄道を救済していく物語です。

北陸新幹線敦賀開業延期のJR西日本社長のコメントが他人事に聞こえる理由

北陸新幹線は、群馬県高崎駅から石川県の金沢駅に至る新幹線です。東京駅から高崎駅の間は上越新幹線の線路を使って、東京駅〜金沢駅間を最速で2時間28分で結んでいます。

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北陸新幹線金沢駅から先も延伸工事が進められており、最終的には新大阪方面まで開通する予定です。そのうち目下進められているのが、福井県敦賀までの延伸工事です。

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↑鉄道・運輸機構ホームページより

 

先週11日の国土交通省の発表によると、敦賀までの開業が2023年春から1年半延期、建設費も2880億円増額されるようで、周辺自治体をはじめとした関係各社で波紋を呼んでいます。

北陸新幹線延伸遅れ 「経済的損失生じる可能性」 JR西社長が懸念 - 毎日新聞

18日のJR西日本の定例記者会見では長谷川社長によるコメントがありました。

開業に向け、車両調達や要員確保を進めている。現実的な経済的損失が生じる可能性がある。

 

年単位の遅延で驚いている。ただごとではない。

として、遺憾の意を表明しました。

このコメント、北陸新幹線上越妙高以西はJR西日本の路線なのに他人事のように聞こえます。それには理由があります。

 

実は、北陸新幹線の工事を行っているのはJR西日本ではありません。鉄道・運輸機構(正式名称:鉄道建設・運輸施設整備支援機構)という独立行政法人が行っています。JR西日本は鉄道・運輸機構に対して線路のレンタル料を支払って新幹線を営業することになります。

今回の工期延伸は、身近な例で例えると、新築賃貸マンションに住もうと家具を揃えたり、引越しの準備を進めていたのに、マンションの完成が遅れて引っ越せなくなったようなものです。

まして、先般の台風による北陸新幹線の車両の浸水による被害やコロナ禍での運賃収入の減少もあり、新たな収入源として期待していたものが、年単位で延期になったのは経営への影響も大きいものと推測します。

この影響がその先の新大阪延伸にも影響を与えるのでは無いかとの懸念もあり、北陸地方へのアクセス向上による経済効果を期待する周辺自治体からも不満の声が上がっています。

長谷川社長のコメントが他人事に聞こえるのは、このように工事主体が第三者の鉄道・運輸機構であり、彼らに対する遺憾の意の現れというわけです。

なお、工事費の増加による運賃への影響はないと思われます。鉄道運賃は国土交通省の認可が必要で、一部の特例を除き乗車キロ数で決まるからです。また、JR西日本が鉄道・運輸機構に支払うレンタル料も、新幹線延伸による受益相当額(需要予測等による延伸時の収入と延伸しなかった場合の収入の差額)を上限としているため、影響を受けません。しかし、鉄道・運輸機構がゼネコンに支払う工事費の財源は国と地方自治体が負担しているため、両者の財政を圧迫し、特に地元自治体からの反発は必至です。

 


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特に福井県は、南側を越美山地野坂山地に阻まれ、大都市からのアクセスがよくないため、新幹線への期待は大きいと思います。新幹線は温泉地の芦原温泉や、恐竜博物館へ向かうえちぜん鉄道と接続する福井駅にも停まるため、その効果が後ろ倒しになる影響は最小限に留めたいところです。

しかしながら、これまで運営側による責任事故が皆無の日本の新幹線。地元経済への影響を最小限にしつつも、これからも安全が揺るがない日本の新幹線を維持するため、丁寧に工事を進めてほしいと思います。また、鉄道・運輸機構、JR西日本、地元自治体や企業なと利害関係者が多くいる中で、それぞれが建設的な議論ができるよう調整役としての国土交通省にも期待したいと思います。