ボクの息子はもう子鉄じゃないかもしれない。

子鉄(?)ヤンヤン(中1)の父であり、実写版アラレちゃんの娘ミーミー(小3)の父が、鉄道や子育てを楽しみながら、地方鉄道を救済していく物語です。子供の「だいすき!」「やってみたい!」を大切に子育てをしています♪ 子鉄応援ありがとうECショップ「でんしゃデパート」もやっています。本業はとある鉄道会社のSDGsおにいさん。なので、専門的な記事もあります。

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リニア中央新幹線 三重県の駅は亀山駅!?ってどこ?

みなさん、こんにちは。

2027年に品川駅~名古屋駅間が開業する予定のリニア中央新幹線
その先も大阪府まで延伸される予定ですが、そのルートはまだ未定となっています。

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その中間駅として、三重県が同県亀山市への誘致を行う方針を固めました。
県や県内の市町などで作る「建設促進三重県期成同盟会」が駅候補地を募集したところ亀山市からのみ応募があったそうです。

 

三重県と言えば、松阪牛で有名な松阪市伊勢神宮がある伊勢市、風光明媚な英虞湾に抱かれた賢島や鳥羽などが有名ですが、亀山市はこれらの観光地と比べると知名度が落ちるイメージがあります。

 

<目次>

1、影が薄い亀山駅

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亀山駅は、名古屋駅から大阪ミナミの繁華街JR難波駅を結ぶ関西本線の途中駅です。
名古屋駅亀山駅の間には、ナガシマスパーランドの最寄り駅の桑名駅や環境問題推進都市の四日市駅などがあります。

三重県最大の観光エリアに向かう紀勢本線の始発駅ですが、名古屋駅からの特急ワイドビュー南紀や快速みえなどは、河原田駅から伊勢鉄道を経由していくため、亀山駅を通しません。

この区間は、近鉄線も走っており、「しまかぜ」や「伊勢志摩ライナー」などの魅力的な特急列車を走らせてJRに対抗していますが、近鉄線も亀山市は通りません。

また、名古屋駅からの関西本線普通列車四日市駅止まりの列車も多く、亀山駅まで向かう列車は1時間に1本程度となっています。 

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近鉄を代表する特急しまかぜ50000系。

また、関西本線名古屋駅亀山駅間はJR東海の路線ですが、亀山駅以西はJR西日本の路線となります。

亀山駅以西は、奈良駅の2つ手前の加茂駅までディーゼル区間となっており、列車の本数も1時間に1本程度。1両の運転で、特急列車もいまは走っていません。

 

その先、古都奈良以西はあべのハルカスの足元にある天王寺駅を通り、JR難波駅へ向かいます。

世界的な古都と大阪随一の繁華街を結ぶこの区間の利便性は推して知るべしでしょう。

 

2、意外と魅力がいっぱいのディーゼル区間

残念な感じの亀山駅~加茂駅間のディーゼル区間ですが、実は魅力いっぱいの路線です。

伊賀上野駅伊賀鉄道に乗り換えれば、伊賀上野藩の城下町上野市に向かうことができます。

上野市は伊賀流忍者の里としても有名で、伊賀流忍者屋敷で忍者体験を楽しむこともできます。

 

伊賀流忍者のライバル(?)と言えば甲賀流忍者。

柘植駅草津線に乗り換えれば、2つ目の駅が甲賀流忍者の里甲賀駅があります。

こちらにも甲賀の里忍術村があり、山里に造られた広大な敷地で忍者体験を楽しむことが出来ます。


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さらに草津線で足を伸ばせば、貴生川駅信楽高原鉄道で、たぬきの焼き物で有名な信楽駅へ到着です。

町内に点在する工房では、信楽焼の焼き物体験を楽しめます。


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リニアの駅が関西本線亀山駅と接続するとき決まったわけではありませんが、様々なエクスペリエンス拠点への距離がググっと縮まるかもしれません。

 

3、亀山市じゃなくてもいいのではないか?

上記を踏まえると、亀山市ではなくて柘植駅伊賀上野駅付近にリニア駅を作った方がいいような気がしてしまいます。(地理的な要素等はいったん置いておいて)

 

亀山市である理由は何なのでしょうか?

 

亀山市は、もともとリニア中間駅誘致に積極的で、1996年からリニア中央新幹線亀山駅整備基金の積み立てを行っており、2017年時点で約16億円の積立金残高があります。

駅誘致には当然自治体の財政負担が重要になりますので、他の自治体に対して圧倒的なアドバンテージがあります。

 

また、亀山市による「リニア中央新幹線中間駅設置・開業による影響把握調査(概要版)」によれば、3つの整備効果が挙げられています。

  • 人口拡大の可能性
  • 経済・産業への波及
  • 都市機能の拡大・整備の可能性

亀山市は、在来線との乗り換え客も含めた交流人口の増加と、中京圏、関西圏へのアクセス向上による商業、ビジネスニーズの拡大を狙っているほか、三重県の玄関口として亀山市の存在感を増したいしたたかな狙いがあるように思えます。

 

前述の通り、亀山駅は伊勢志摩方面への観光ルートから外れ、いまいちスポットライトが当たりません。

亀山駅がリニアからの乗換駅となり、ここから紀勢本線を経由した特急列車の新設などにより、新たな観光ルートが形成されれば、亀山市のブランド価値上昇のみならず、リニアと在来線を運営するJR東海にとっても、速達性を武器に伊勢志摩方面へのシェア獲得のチャンスとなるでしょう。

一方、亀山市を通らない近鉄伊勢鉄道にとっては脅威になるかもしれません。

 

リニア亀山駅設置の効果を最大限に活かすには、リニアの停車本数を含めた利便性と、在来線との連携が必須になってくるでしょう。

名古屋駅から亀山駅の間は関西本線営業キロベースでわずか59.9kmです。

首都圏・中京圏・関西圏をかつてない速さで結び、大きな社会変革が期待されるリニア中央新幹線

その中で、名古屋駅からそれほど離れていないこの地区にどれほどの列車を停めるのが最適なのか。

慎重に検討していく必要があると思います。

 

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