みなさん、こんにちは。
子鉄たちは、電車ごっこも好きですが、駅員さんのモノマネも大好きです。
我が家では、非鉄の娘ミーミーでさえ、「まもなく、1番線に、各駅停車、中央林間行きが参ります。」と、駅員さんごっこ(ただし、自動放送)をします。
ところで、我が家は東急沿線なのでこのような表現になりますが、地元の路線によっては違う言い方をする子もいるのではないでしょうか?
「1番ホームに~」とか、「1番のりばに~」などです。
実は、この言い方は鉄道会社ごとに違います。
そして、その言い方にはそれぞれ意味があり、比較することで、その鉄道会社が大切にしていることを、妄想することができるのです。
あくまで妄想です!
鉄道会社さんに聞いたわけではないので、1意見としてお楽しみください。
<目次>
1,「1番線」という表現
もっともメジャーなのは、「1番線」という表現です。JR東日本や東京メトロがこのパターンなので、必然的に耳にする駅も回数も多くなります。
「1番線」の「線」は「線路」の意味です。
多くの場合は、駅長事務室がある駅舎(本屋と言います。)から近い線路から順番に1番線、2番線と割り振っていくパターンや、下りの線路を1番線とするなど、会社ごとに法則をもって割り振っています。
「1番線」は「1番線路」のことなので、必ずしもホームがあるとは限りません。
例えば、東急田園都市線の二子新地駅は、下り中央林間方面の1番線と上り渋谷方面の4番線しかありません。
この駅は、田園都市線と大井町線が並走する複々線区間になっていて、大井町線は各駅停車も原則二子新地駅には停まらないダイヤになっています。
そのため、大井町線用の上下線の2本の通過線路が2番線、3番線扱いになっています。
お客さんからすると、少し違和感を感じるかもしれません。
このパターンは、東武鉄道などでも見られ、東武スカイツリーラインの草加駅では、上りの通過線路が1番線、下りの通過線路が6番線になっていて、ホームでの案内では欠番になっています。
ただし、通過線路に番線を割り振っていないケースもあります。
京急本線の南太田駅は、1番線と2番線がありますが、その間にある通過線路には番線が割り振られていません。
2,「1番ホーム」という表現
「番線」ではなく、「ホーム」で案内されるのが、首都圏では西武鉄道や小田急電鉄です。
小田急電鉄では、「お待たせいたしました。2番ホームに、各駅停車、本厚木行きが10両編成で参ります。」という感じで案内されます。
ホームは電車に乗降するための設備ですので、当然通過線路には割り振られません。
例えば、小田原線と江ノ島線が分かれる相模大野駅では、1番ホームが主に江ノ島線下りの藤沢方面、2番ホームが小田原線下り小田原方面、3番ホームが小田原線上り新宿方面、4番ホームが江ノ島線からの新宿方面となっています。
2番線と3番線の間にはロマンスカー用の通過線路が2本ありますが、ホームもないですし、番号の割り振りもありません。
3,「1番のりば」という表現
関東の鉄道ではあまりないのですが、「のりば」という表現もあります。この表現は、「線路」や「ホーム」の概念がないバスターミナルなどて使われることが多いですが、関西ではJR西日本や近鉄線などで使われています。
関東では聞く機会が少ないだけに新鮮な気分になります。
例えば、京都駅では、「まもなく2番のりばに11時45分発、新快速湖西線敦賀行きが12両でまいります。」とか言います。
JR西日本は、昔は「まいります。」ではなく、「はいります。」というエモい表現をしていたような記憶があります。
4,比べてわかる鉄道企業文化
このように、「番線」、「ホーム」、「のりば」と大きく3種類の表現があるのと、「番線」では通過線路をカウントするかどうかという違いが各社の間であります。
まず、「ホーム」や「のりば」で表現する会社は、お客さまを大切にしている印象がします。
「ホーム」はお客さまが乗り降りするプラットフォームであり、「のりば」も同様に主語がお客さまだからです。
また、例外はありますが、番号の欠番が発生しないことも、お客さまの混乱が少ないこともその気持ちの表れかもしれません。
しかし、この場合、レール交換などの保守作業などでは、カウントされていない通過線路を別の呼び方で表現する必要があります。
完全に想像で前述の京急本線南太田駅を考えるますと、例えば保守上は、
- 駅案内1番線⇒保守上も1番線
- 下り通過戦 ⇒保守上は2番線
- 上り通過戦 ⇒保守上は3番線
- 秋案内2番線⇒保守上は4番線
などとしてしまい、二重名称で社内で混乱が生じやすいです。
一方、通過線路もカウントしている会社は、これを回避し、効果的な安全の確保を大切にしている印象を受けます。
どの鉄道会社にとっても安全の確保は最重要の使命であることは間違いありません。
しかし、社内での混乱を可能な限り避けることで、より確実に安全を確保できると考えているのだと思います。
もちろん、二重名称があったとしても、呼称の工夫はしていると思います。
例えば、金融業界もそうですが、「きゅう」との混同を避けるため、「じゅう」と言わず、「とお」と表現するのは有名です。
駅構内の業務放送を聞いていると、例えば13番線のことを「とおさんばん」と言っています。(上野駅などで聞けます。)
5,番外編斜め上を行く阪急電鉄
さて、最後に他の鉄道と一線を画す阪急電鉄を紹介します。
と、いうより、今回の記事で1番紹介したかったのが阪急さんです。
阪急さんといえば、鉄道建設とまちづくりを一体的に開発する私鉄モデルの先駆けとなった鉄道会社で、沿線には多くの高級住宅街のほか、宝塚歌劇団も擁しています。
そんな阪急さんは「1号線」という表現をします。
しかし、とがっているのはそれだけではありません。
「みなさま、まもなく1号線に神戸・三宮方面に向かう電車が到着します。危険ですので、黄色い点字ブロックの内側にお下がりください。ただいま到着の電車は、特急新開地行きです。停車駅は、・・・(省略)です。この電車は、〇〇で各駅停車に連絡します。次は、〇〇に停まります。ご乗車の際、足元にご注意ください。この電車は、特急新開地行きです。」
ポイントは、まず「みなさま」というエレガントな口火。
英語ですと"Ladies and Gentleme"(近年では、ジェンダー平等のため"Everyone")にあたりますね。
これがカッコいい!
次に、まずは到着号線とどっちに向かうのかをざっくりと伝えたうえで、早期に黄色い点字ブロックの内側に下がることを促し、安全の確保を先に行います。
その後、具体的な種別と行き先、停車駅などを伝えるのですが、このタイミングですと、すでに列車が入線していることが多く聞き取りにくいことがあります。
そのため、列車の音が落ち着いたころ、最後に改めて種別と行き先を伝えます。
安全への配慮かつ、お客さまへの配慮などスタイリッシュかつ合理的な放送だと思います。
こういうところが、阪急ブランドの人気が絶えない理由の一つだと思っています。
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