やあ、鉄道が大好きなみなさん😘
聴覚過敏を知っていますか?
感覚過敏のひとつで、身の回りの音が、日常生活に支障が出るほど大きく聞こえてしまい、困難や苦痛が生じる特性のことです。
強弱はあれ、誰にでもあると思っていて、ボクも人間の声や電話の音が苦手です。
なので、若者が急に大きな声を出す可能性がある夜の繁華街には行かないですし、電話も鳴らない設定にしています。
息子鉄ヤンヤンも少し苦労していて、鉄道マニアながら汽笛の音が苦手です。
電子音の警笛やミュージックホーンは問題ありませんが、タイフォーンやSLの汽笛は滅法ダメで、これまで避けてきました。
しかし、伝家の宝刀イヤーマフを手にしてヤンヤンは勇気を出してSL大樹に挑戦したのでした。
ちなみに、犬の鳴き声も苦手で、散歩中の犬に出会うと、脱兎の如く反対の歩道に退避します(笑)
<目次>
1.SL大樹について
SL大樹は東武鉄道の鬼怒川線、下今市駅〜鬼怒川温泉駅を走る観光SLで、2017年8月に登場しました。
東武鉄道が牽引役に、沿線地域やSLゆかりの地方と一体で取り組むSL復活運転プロジェクトが進められ、2機のSLを鬼怒川の地に復活させたものです。
1機は、C11形207号機。
1941年に日立製作所笠戸事業所で製造され主に北海道で活躍していました。
一度引退したのち、2000年にJR北海道SLニセコ号やSL冬の湿原号として復活しました。
濃霧でも遠くが見えるように、ヘッドライトが上に2つ付いているのが特徴で、「カニ目」とも呼ばれています。
もう1機は、C11形325号機。
こちらは、1946年に日本車輌製造熱田工場で製造され、廃車後静態保存をされていましたが、1998年に復活して、真岡鐵道のSLもおか号として活躍しました。
もう1つ注目は車掌車。
貨物列車の後ろについているのをよく見る車両でヨ8000形といいます。
SL大樹では、鬼怒川線の自動列車停止装置(ATS)に対応するための信号装置もこの車両に搭載されており、安全面で重要な役割を果たします。
客車は3両で12系、14系という形式の車両です。
14系は、ブルートレインのような青い車両と、ぶどう2号という茶色っぽいシックなタイプもあります。
JR四国から譲り受けた客車に加えて、JR北海道から譲り受け、グリーン車に相当するゆったり感があるドリームカー、車端部にはラウンジもあります。
12系は、2009年まで夜行列車ムーンライト高知・松山として活躍した車両で、こちらもJR四国からやってきました。
かつてグリーン車に改造された歴史があり、さらに、東武鉄道にやってきてからは展望デッキも作られました。
このほか、SLを助けるため、後ろからディーゼル機関車が客車を押したり、ディーゼル機関車自身がSLに変わって客車を引っ張るDL大樹が運転されることもあります。
このディーゼル機関車はDE10形機関車2両で、JR東日本からやってきました。
そのうち1両は、かつて寝台特急北斗星を彷彿させる、青色に金の帯と星のマークが描かれています。
また、下今市駅と鬼怒川温泉駅には、機関車の向きを変える転車台があります。
下今市駅のものは山口県の長門市駅から、鬼怒川温泉駅のものは、広島県の三次駅から移設してきたものです。
いずれも転車台の周りは広場になっていて、回転する様子を見学できますし、鬼怒川温泉駅では、係の方がマイクで解説もしてくれました。
ちなみに、鬼怒川温泉駅の転車台の近くに足湯もあり、足湯からの転車ビューも可能です。(空いていれば)
2.SLと一緒に写真を撮るには?
聴覚過敏ですと、SLが急に汽笛を鳴らさないか心配になります。
突然なってビックリした日には、心が折れて乗れなくなってしまうかもしれません。
しかし、正しい鉄道知識を身につければ心配はいりません。
パフォーマンスで鳴らすこともゼロではないですが、汽笛や警笛は安全装置の一種ですので、鳴らすときは必ず意味があります。
それを知っておけば、どんなのときに鳴らすのか見当がつくので、安心して近づくことができます。
主なものは以下の通り。
- 発車のとき
- トンネルや鉄橋などに近づいたとき
- 見通しの悪い区間や踏切
- 「気笛吹鳴標識」のあるところ
- 入れ替えのとき前進、後進するとき
- 連結するとき
- 人を呼ぶとき
などです。
なので、始発駅の停車中は基本的に鳴らさないと思って大丈夫です。
安心してSLと写真を撮りましょう!
機関士さんがサービスで鳴らしてくれることがあります。このときは、ご容赦を💦
3.どの車両に乗ると良いか?
聴覚過敏ですと、SLのすぐ後ろの客車に乗ると汽笛がうるさく聞こえるかもしれません。
客車は鬼怒川温泉駅側が1号車、下今市駅駅側が3号車になりますので、鬼怒川温泉駅行きに乗るときは3号車、下今市駅行きに乗るときは1号車を予約しましょう。
ボクたちが乗った時は、間違えてSLに近い側の客車を予約してしまいましたが、アテンダントさんに話して、後ろの客車に乗せてもらいました。
また、1号車と3号車の14系客車スハフ14またはオハフ15は窓が開かないので、3号車にでもそんなに汽笛は気になりませんでした。
なお、展望席がある2号車の12系オハテ12は窓が開きます。
なので、不安ならばイヤーマフをつけつつ、安心して乗ってください。
4.乗ってよかった!たくさんの思い出!
SL大樹に勇気を出して乗ったご褒美は極上のものでした。
各車両にアテンダントさんがついてくれて、乗車記念証をくれたり、グッズの販売をしてくれます。
シールを貼り替えれば、東武日光行きの大樹ふたらに仕様を変えることもできます。
そして、沿線のおもてなし。
自転車やランニングで伴走してくれる超ハードなファンのみなさん、沿線の会社や小学生のみなさんが手を振ってくれます。
息子鉄も第一村人発見といわんばかりに、人を見つけてはこちらから手を振っていました。
それと、鬼怒川線にはいくつか急カーブがあります。
カーブを曲がるときに、1番後ろの車両に乗れば、先頭のSLを見ることができます。
そして、1番のおくりものは、SLに乗れるという自信でしょう。
イヤーマフの助けもあり、SLレベルの他の音には対応できるぞという実感が湧いたようで、行動範囲も広がったんじゃないでしょうか。
世界は広がりましたが、家計は圧迫される一方ですな(笑)
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