みなさん、こんにちは。
神奈川県の東部を走る相模鉄道、通称、相鉄。
横浜駅と海老名駅を結ぶ本線と、途中の二俣川駅から湘南台駅を結ぶいずみ野線、そして、JRと直通するための新しい路線で本線の途中駅西谷駅と横浜羽沢国大駅を結ぶ相鉄新横浜線を運営しています。
かつては、大手私鉄の中で唯一東京都と通らず、他社との乗り入れも行わない天涯孤独の鉄道でしたが、2019年11月に相鉄新横浜線を開業させ、JR湘南新宿ライン・埼京線との直通運転を開始し、悲願の都心乗り入れを達成しました。
さらに、2022年度下期には、相鉄新横浜線が新横浜駅まで延伸し、東急東横線・目黒線との直通運転を開始する予定のまさに飛ぶ鳥を落とす勢いの鉄道会社です。
そんな相鉄の人気を支えるゆるキャラがいます。"そうにゃん"です。
相鉄沿線でのそうにゃんの人気はすさまじく、特に子供たちと女子の心をつかんでいるように感じます。
相鉄線に乗れば、必ずそうにゃんグッズを身に着けているお客さんを何度も目にすることでしょう。
今回は、かわいい"そうにゃん"の人気の秘密に迫っていきましょう。
そして、その裏にある相鉄グループの戦略とは・・・!?
【目次】
"そうにゃん"って誰?
まずは、"そうにゃん"とは何者なのか確認しておきましょう。
"そうにゃん"は自身のホームページを持っています。
ホームページって”.ne.jp"とか".com"とかがメジャーですが、
"sounyan.jp" 独自ドメインなんて・・・
このホームページから掻い摘んで紹介します。
出典: https://www.sounyan.jp 相鉄 そうにゃん|相模鉄道キャラクター
"そうにゃん"は、相鉄沿線出身で、2014年から相鉄の広報を行っているネコ🐱ちゃんです。
ネコちゃんですが、タヌキと間違えられるのが悩みなんだそう。
未来の青タヌキか!
後述の絵本「そうにゃん と えきいんさん」では、かしわ台駅のやさしい駅長さんに拾われて、それから駅員さんと一緒に過ごして相鉄の仲間入りを果たしています。
ただし、実際はかしわ台駅は海老名管区(海老名駅~相模大塚駅)の1駅で、海老名駅の駅長さんが管理しています。
この影響のある笑顔と、広報活動で東奔西走している姿が僕たち人間の心をガッチリとつかんできます。
かわいい・・かわいいよ、そうにゃん♡
ぬいぐるみがバカ高い
"そうにゃん"ファンの皆さん、お待たせしました。
明日2021年1月9日(土)より、そうてつローゼンでそうにゃんグッズが発売されることを記念して、「そうにゃん特大ぬいぐるみ」が限定90体発売されます。
特大ぬいぐるみの大きさは、なんと高さ50cm!
娘のミーミーが生まれた時と同じ大きさであります。
しかも、そうてつローゼンコラボということで、販売員さんのエプロンを身に着けた超レアぬいぐるみです。
発売場所は、そうてつローゼンかしわ台店、いずみ野駅前店、ジョイナステラス二俣川店で、午前8時に整理券を配布し、9時から10時までが整理券を持っている人への優先販売、その後一般販売となります。
そして、お値段はなんと8,250円!!(税込)
高い、高いよ・・・そうにゃん・・・♡
しかし、このお値段でも整理券を配布するほど、需要が見込めるということ。
沿線内の人気の高さが窺えます。
https://cdn.sotetsu.co.jp/media/2020/pressrelease/pdf/r20-144-6jw.pdf
"そうにゃん"と他社ゆるキャラの違い
そんな沿線で大人気の"そうにゃん"。ほかの鉄道会社もゆるキャラを登場させていますが、"そうにゃん"はそれらとは一線を画している印象があります。
生き物だ!
鉄道ゆるキャラで動物は珍しいです。首都圏では、のるるん(東急)、けいきゅん(京急)、しょもたん(湘南モノレール)、えのん(江ノ電)など電車の車両をモチーフにしていることが多いです。
動物をモチーフにしているのは他には京成パンダ(京成)と、ちゃこん(近江鉄道)くらいでしょうか?
動物をモチーフにすると、鉄道のゆるキャラだということがわかりません。
それでも、ここまでの愛嬌あふれる多彩な表情ですっかり相鉄沿線の顔として定着しているのはすごいことです。
露出がヤバい!
その定着ぶりを支えているのが、圧倒的な出現率。
相鉄線に乗れば、相鉄グループからの告知や駅のサイネージなどには漏れなく"そうにゃん"が登場します。
また、実際の車両1編成をすべて"そうにゃん"でラッピングした「そうにゃん電車」も走っています。
しかも、定期的にラッピングしなおして、デザインを洗い替えるのです!
さらに、イベントへの出現率。
相鉄グループのイベントには必ず登場しますし、前述のホームページには"そうにゃん"のスケジュールが公開されていて、いつどこに現れるかわかるようになっています。実は"そうにゃん"の「追っかけ」もいるとか。
徹底的な露出による知名度の向上施策は、もはや洗脳に近いです。
以前息子のヤンヤンとかしわ台車両センターの車庫見学会に参加したときも来てくれました。
参加者は車庫からかしわ台駅まで専用列車で帰りますが、その列車が見えなくなるまで見送ってくれました。車内からも、
「そうにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
「そうにゃん、バイバァァァァァァァァイ!」
という子供たちの元気な声。
ちょっとふざけた子が、
「ジバニャァァァァァァァァァァン!!」
と叫ぶと、
「いまジバニャンって言ったの誰だ!」
「そうにゃんに謝れ!」
と、フルボッコに・・・(実話)
絵本が泣ける!
そんな"そうにゃん"の絵本が2冊発売されています。
文・絵は「あんざいみわ」さん。"そうにゃん"のデザインを手がけた本人です。
1冊目は、「そうにゃん と えきいん」さん。
"そうにゃん"がかしわ台駅の駅長さんに拾われ、駅員さんや駅長さんと一緒に過ごすお話です。
"そうにゃん"にはお父さんやお母さんや兄弟がいません。
でも、"そうにゃん"にはかしわ台駅のみんながいます。
本当の家族とは?絆とは何なのか?気づかせてくれる、子供たちと読みたい1冊です。
2冊目は、「そうにゃん と えきちょうさん」
この本は僕は持っていません。買えなかったのです。
買えなかった理由は売り切れではありません。立読みして泣いたからです。
これは、子供たちに最後まで読んであげられないな。
今考えれば一緒に泣いてもよかったけど。
のるるん(東急)の「ぼく、のるるん」や、けい太くん(京王)の「はしれ!けい太くん」などの絵本もありますが、"そうにゃん"の絵本はとにかくハートフル。
心にグッと来る人との心の触れ合いを感じられる作品です。
徹底的に"そうにゃん"を推す相鉄グループ
愛らしい姿と徹底的な沿線の人との心のふれあいを大事にして沿線で大人気の"そうにゃん"。
相鉄グループがここまで徹底して"そうにゃん"人気に投資をするのは、沿線イメージに関する危機感があります。
冒頭記載の通り、相模鉄道は、かつては神奈川県下のみを走るローカル鉄道でした。
首都圏での知名度も高くはなく、今でもJR相模線と区別がついていない人も多いです。(確かにかつてはJR相模線も相模鉄道だった)
現在は大手私鉄になお連ねていますが、僕が子供のころは準大手の分類で、大手の仲間入りをしたのは1990年でした。
そんな相鉄がJRと直通運転を開始し、今度は東急との乗り入れを控えています。
都心へのアクセスが格段に向上し、新幹線が停まる新横浜駅に乗り入れるのに「クソド田舎」では目も当てられません。
都心に行くのに便利な新しい街、しかも、適度にのんびりでハートフルな街といったこれまでの相鉄の良さを残したイメージ戦略を徹底的に行っている印象を受けます。
そんな相鉄が目指す沿線ブランドイメージが"そうにゃん"の人柄(猫柄)に現れているような気がします。
相鉄のイメージを変える広報担当"そうにゃん"。
沿線で見かけたら、応援してあげてくださいね(*^-^*)