みなさん、こんにちは!
電車の乗るだけでSDG、ヤーコンです。
甲子園行くことが野球部員共通の目標であるように、SDGsは地球に住む人類74億人の共通の目標です。
2015年に国連サミットで全会一致で採択されたSDGsは全部で17個目標があり、貧困、飢餓、健康、教育、ジェンダーから経済発展、地球環境問題など地球規模ながら僕たち一人ひとりが向き合わなくてはならない社会課題が示されており、1つの目標が他の目標達成の妨げにならないように、誰人取り残さない行動が重要とされています。
そんなSDGs啓発のために国連広報センターがアンバサダーとして起用したのが機関車トーマス。
機関車トーマスは、イギリスのソドー島を舞台にした鉄道車両たちが活躍する物語で、世界中の子供たちに愛されているお話です。
主人公のトーマスが世界中を巡り、SDGsを紹介してくれる動画は、Youtubeで見ることができます。
そこで、皆さんから漏れなくツッコミをいただくのが、
「オマエ、めっちゃ煙出してCO2排出してますな!」
ということです。
では、機関車トーマスがSDGsアンバサダーとして適切なのかどうか、ソドー鉄道の取り組みから考えてみましょう。
ソドー鉄道は、島内で旅客輸送と貨物輸送を中心に事業を行なっている鉄道会社で、一部の列車はイギリス本土との直通運転も行っているようです。
SDGsでは、目標11「住み続けられる街づくりを」という目標があり、その中で具体的に定めているターゲットでは、11.2「2030年までに、脆弱な立場にある人々、女性、子供、障害者及び高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、全ての人々に安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する。」と述べています。
ソドー鉄道は、本業である鉄道事業そのものを通じて、SDGs目標11に貢献しており、僕が子供の頃からずっと鉄道の運行を行っていますから、まさにサステナブル(持続可能な開発)な貢献と言えるでしょう。
また、トーマスのお話では、子供やお年寄りに寄り添った機関車たちの優しい一面が見られ、このターゲットの優等生と考えられます。(ただし、トラブルや事故も多く、「遅れと混乱が生じている」こともしばしば・・・)
一方、石炭を燃料とする蒸気機関車はたくさんの温室効果ガスを排出します。
これは、地球温暖化や森林荒廃の原因となり、目標13「気候変動に具体定な対策を」や目標15「陸の豊かさも守ろう」の妨げになっています。
これは、トップハムハット卿も認めざるを得ないでしょう。
しかし、SDGsでは「じゃあトーマスはダメ」とラベリングをするのではなく、「じゃあ、両立させるにはどうしたらいいか」というのをみんなでパートナーシップを組んで、トレードオフ(あちらを立てればこちらを立たず)を解消することが大事です。
どちらかを諦めてしまっては、経済を選んで環境を捨てていた昔と変わりません。
そこで、ソドー鉄道もエネルギー効率の良い機関車を少しずつ導入しています。
ディーゼル機関車です。
軽油で走るディーゼル機関車は、蒸気機関車よりも二酸化炭素排出量が少なく、社内でも期待の声が大きいです。
しかし、なぜかお話に登場するディーゼル機関車は意地悪なキャラクターや自惚れ屋さんが多く、イマイチ役に立っていない印象…
新技術を入れる難しさを表現しているのでしょうか。
SDGsでも日本政府はSDGs実施指針やSDGsアクションプランの中で、AI技術やIot技術を活用した超スマート社会Society5.0の実現をSDGs達成の重要なポイントと位置付けており、その浸透が期待されます。
しかし、ソドー鉄道のディーゼルのように、過渡期は色々な課題を乗り越えないとなかなか思うようには進みませんね。
なお、トーマスの世界観では、さらに環境に優しい電車の技術は開発されていないようです。
そんなソドー鉄道に朗報です。
蒸気機関車でありながら、環境性能を向上させる取り組みを2件ご紹介します。
1つ目は、石炭の代わりにオガライトという代替燃料を使用する技術です。
オガライトとは、オガクズを高温高圧で加工して棒状に加工したもので、バーベキューなどでも利用されています。
2004年から静岡県の「持続可能な山村づくり事業」の一環で、化石燃料の使用を少なくし、森林間伐材などのバイオマスを活用した事業として検討され、2005年には本当に機関車トーマスが走る大井川鐵道の蒸気機関車を使って走行実験が行われました。
石炭とオガライトの比率を変えながら何回か走行実験を行い、最後にはダイヤ通りの走行に成功したそうです。
しかし、オガライトは石炭に比べてコストが高く、サステナブル(持続可能)じゃないということで、実装への道は遠そうです。
ナイスチャレンジ!
開発したのは、アチハ株式会社という、鉄道車両の輸送を行っている会社です。
たまに、テレビでも新しい新幹線の車両などが夜間にトレーラに引かれて、すごいカーブを曲がっていく映像などが見ますよね。
アチハ社は、2017年に愛知県でSLを所有している個人から「デゴイチ」と呼ばれるD51型蒸気機関車を購入。
鉄道車両輸送会社として動態保存を検討したものの、復元にかかるコストはもちろん、復元後にかかる石炭や水などのランニングコストもかなり高額になります。
さらに、ボイラー技師などの特別なスキルが必要なほか、通常は夜間であっても釜の中の火を管理するため、常に人を配置しておかなければならないんだそう。
そこで、アチハ社は、石炭を燃やして水蒸気を発生させて動かす本来の蒸気機関車の動力方式をやめ、軽油を燃料とする大型コンプレッサーで空気を圧縮して動かす方法に変更することを決めました。
しかも、その軽油は使用済みの食用油を生成したバイオ燃料で、限りある化石燃料の有効活用を図っています。
蒸気で動くわけではないので、もはや蒸気機関車ではないのですが、SLの醍醐味といえばやっぱり、その迫力や力強さ!
動力が変わっても、その存在感や健在ですので、和歌山県の有田川町にある鉄道公園で復元した走りが公開された時は、大変な反響だったそう。
上越市にある直江津駅は、えちごトキめき鉄道の主要駅で、徒歩3分のところに先日の2021年4月29(木)、直江津デゴイチレールパークがオープンしました。
アチハ社はSLをえちごトキめき鉄道に貸し出し、園内と直江津駅の手前までの体験乗車に使われており、レールパークのメインアトラクションとなっています。
なお、空気圧縮による動力方式は、法規上の問題で営業線を走ることはできないんだそう。
それでも、地球環境への影響を最小限にしながら、新潟県の地方創生にも貢献するナイスSDGsな取り組みと言えるでしょう。
ソドー鉄道でも法規上の問題をクリアして、ぜひトーマスたちと一緒に本線上で活躍してほしいですね!
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