子鉄が喜ぶカレーショップナイヤガラ。
ミニ列車がカレーを運んでくることや、店内も鉄道の雰囲気がいっぱいなことが紹介されていますが、展示されている数々の品々にどんなストーリーが込められているかご存じでしょうか?
今回は、東急東横線祐天寺駅カレーショップナイヤガラの内装や展示品をマニア目線で解説します。
こういったことを楽しそうにパパママが語ることで、子鉄は世界を広げていきます。
<目次>
- 1.東急東横線祐天寺駅
- 2.踏切音が鳴り響く店前
- 3,蒸気機関車の顔の部分
- 4,東海道・山陽新幹線700系の遊具
- 5,通票閉塞器
- 6,店内はカオス
- 7,超特急ひかり号のブリキのおもちゃ
- 8,新幹線0系のお鼻
- 9,記念入場券に入鋏
- 10,制帽を被らせてもらえる。
- 11,列車が食べ物を運んでくる。
1.東急東横線祐天寺駅
各停のみが停まる駅で、上下線の間に通過線があります。
通過線は主な朝のラッシュ時に渋谷方面の各停追い越しに使われます。
しかし、この通過線は下りの横浜方面にも使えるようになっていて、土休日の1日1本だけ元町・中華街行きのS-TRAINが各停を追い越しに使われます。
こういうレア情報は子鉄に結構響きます。
期間限定ですが、祐天寺駅のコンコースには、2023年1月に引退する田園都市線8500系の思い出コーナーがあります。
引退済の車両や、かつて東横線で走ってきた時の写真もあり、子鉄と眺めると桜木町行きの8500系にビックリしたりします。
※東横線の終点は2003年1月まで桜木町駅でした。2月からは横浜駅〜桜木町駅間は廃線となり、新たに開業したみなとみらい線との直通を開始しました。
2.踏切音が鳴り響く店前
ナイヤガラは、祐天寺駅から歩いて4分ほどのところにあります。
住宅街の中に鉄道一色の雰囲気を放つお店が現れます。
お店の前には踏切警報器はあります。
この警報器は、営業中常に鳴動していて、「カンカンカン」という警報音がエンドレスに流れています。
近所の方から苦情になったりしないのでしょうか?
なお、残念ながら遮断機はありません。
ちなみに、踏切警報器があり、遮断機が無い踏切を第三種踏切といいます。
遮断機がある場合、警報音が鳴り始めてから、およそ15秒後に遮断機が閉まりきるように設定されているそうです。(マチスコープでやっていました)
3,蒸気機関車の顔の部分
窓ガラスの向こうに大きな蒸気機関車の顔!
「D 51 780」と書かれているので、D51形蒸気機関車、いわゆるデゴイチだということがわかります。
「D 51 780」は、D51形蒸気機関車の780号機を意味します。
デゴイチは、1935年から1945年にかけて国鉄在籍分だけで1,115両映像され、主に貨物輸送で活躍しました。
200号機はJR西日本で、498号機はJR東日本で現在も保有され、臨時列車として走る姿が見られます。(最近見ないけど大丈夫かな?)
なお、「D」は、動輪が4つ付いている比較的パワーのある機関車です。「C」は動輪が3つです。
「51」は形式ごとに順番に付番されますが、10~49がタンク式機関車、50番以降はテンダー式機関車になります。
タンク機関車とは、トーマスのように燃料庫と水タンクが一体となった機関車、テンダー式機関車は、ゴードンのように炭水車がもう1両ついている機関車です。
4,東海道・山陽新幹線700系の遊具
エアロストリーム型の先頭形状にみんながビックリした700系。
この遊具の姿の車両は引退してしまいましたが、山陽新幹線では、ひかりレールスター(7000番台)が活躍しています。
この遊具も残念ながら動きません。
700系が登場したのち、品川駅が開業し、TOKIOが歌うAMBITIOUS JAPAN!をテーマソングに大々的にPRされました。
700系の車体にもAMBITIOUS JAPAN!と大きく描かれ、CMではTOKIOのみなさんと一緒に疾走する700系はとてもかっこよかったです。
5,通票閉塞器
屋外にさり気なく通票閉塞器が置かれています。
こちらの通票閉塞器はかつて東武鉄道で使われていました。
「タブレット交換」というのを聞いたことがありませんか?
いまでも由利高原鉄道などで運転士さんと駅員さんが輪っかのようなもの(タブレット)を受け渡すシーンがみられます。
この輪っかは、単線区間で「この先進んでいいよ」という許可証です。
しかし、単に輪っかの交換しているだけではなく、受け取った駅員さんは、駅務室にあるこの通票閉塞器を使って、「列車が到着したからこの区間は空いているよー」とか「今から列車を行かせるから反対側から列車を行かせたらダメだよー」といった処理を行います。
この通票閉塞器は、この先のすれ違い駅のものと一対で繋がっていて、2つの閉塞器で連絡を取り合って確認を行い、単線区間の衝突を防止しているのです。
タブレット交換の行為そのものが注目されてしまいますが、バックヤードではこの処理を高速で行う駅員さんの努力があるのです。


6,店内はカオス
店内はとにかくいろいろな鉄道グッズが並んでおり、目移りしてしまいます。
運賃表などは、値段や駅の名前などを現在と比べてみると面白いです。
写真右上の運賃表ですが、駅の名前をよく見ると、現在の自由が丘駅の表記が、東急東横線経由が「自由が丘」、東急大井町線経由が「自由ヶ丘」となっているのがわかります。
東急では、1966年に自由ヶ丘駅から自由が丘駅に改称されているため、これはたぶん駅員さんがやらかしちゃったんだと思います(笑)。
当時はそういったことにもおおらかな時代でした。
いまは交通系ICカードで最短距離で精算されますが、当時はどこ経由かを乗車前に決めて、その通りの切符を買う必要がありました。
ICカードネイティブの子鉄には逆に新鮮かもしれませんね。
7,超特急ひかり号のブリキのおもちゃ
触ることはできませんが、1番奥の座席からは、超特急ひかり号のブリキのおもちゃが置かれています。
これは東海道新幹線が1964年に開業し、夢の超特急と呼ばれた時代を象徴するオモチャで、車輪もしっかりついていて、手転がしで遊んで手を離すとそのままシャーッとどんどん前に進んでいきます。
なんで触れないのにそんなことがわかるかというと、なんと!ヤーコンのおばあちゃんの家にもこれがあり、30年以上前になりますが、まさにこれで遊んでいたからです。
8,新幹線0系のお鼻
極めつけはコレ!
知り合いの方に寄贈されたそうですが、これは初代東海道新幹線0系のお鼻の部分になります。
0系はこのだんごっぱなが鉄道マニア以外にも人気でした。
お鼻だけでこの大きさですから、改めて電車の大きさのビックリしますね。
0系はご存じの通り1964年、東京オリンピックの開催に合わせてデビュー。
最高速度は210km/h(1986年より220km/h)、食堂車がついていたことも有名です。
引退は2008年で、割と最近まで走ったいたことに驚きです。
9,記念入場券に入鋏
席に着くと記念入場券が渡されて、入鋏(にゅうてつ)させてもらえます。
現在は交通系ICカードで入出場をしますが、自動券売機も自動改札機のない切符を手売りしていた時代はこのような分厚い切符(硬券)でした。
改札には改札ボックスに駅員さんが立っており、入場するときに切符に入鋏してもらいます。
降りるときには、駅員さんが瞬時に入場駅、料金、入鋏しているかどうかをものすごい動体視力で確認し、切符を回収されて出場します。
入鋏されていなかったりすると、キセルの疑いを掛けられ、問い詰められます。
当時の駅員さんはすごく怖かったです。
でも、みんなの憧れだったり、バレンタインデーにお客さんにチョコをもらったり、不思議な時代でしたね。
10,制帽を被らせてもらえる。
子鉄たちには制帽を被らせてもらえます。
鉄道会社によりますが、制帽を被るときは、深くかぶりすぎないようにしましょう。
目深になりすぎると目が隠れてしまうのと、何より、頭のてっぺんがポコッと膨らんでしまうので、かっこ悪くなってしまいます。
ボクの駅員時代の師匠によれば、上島竜兵さんの「くるりんぱっ」のかぶり方が1番ちょうど良いそうです(笑)
11,列車が食べ物を運んでくる。
日によって、蒸気機関車が運ぶ時と新幹線が運ぶ時とあります。
この列車は店員さんが捜査していますが、ボクの会社の先輩によると、停止位置を間違えると駅長(店長)に激怒されるとか・・・?
実は、カレーステーションナイヤガラとして人気を博していますが、ナポリタンも創業当時からのメニューなんだそう。
昭和生まれとしてはナポリタンの求心力はすさまじく、チーズも乗っていて、なんだか国鉄昭和の感じがとても心地よかったです。
今回もお読みいただきありがとうございました。
カレーステーションナイヤガラは、鉄道の雰囲気だけでなく、それぞれの展示品それぞれにストーリーがあります。
これを知ることで、もっともっと電車のことが好きになりますよ♪