みなさん、こんにちは!
電車から降りようとしてらドアが開かない!
なんてことが起きたら、焦りますよね。
今日はそんなことが本当に起きる東急大井町線の九品仏駅を紹介します。
大井町線は、京浜東北線の大井町駅から、田園都市線の溝の口駅までの路線で、
二子玉川駅から溝の口駅までは田園都市線と並んで走ります。
大井町線の車両の溝の口寄りの先頭車のドアにはこのようにシールが貼ってあります。


大井町線の各駅停車は5両編成で運転されています。九品仏駅は急行通過駅で、
ホームの長さが4両分しかないため、溝の口寄りの1両のドアが開きません。
このように、一部のドアの開閉を行わない運用は「ドアカット」と呼ばれて
おり、正式には「非扱い」と言います。
九品仏駅は東横線との乗り換え駅自由が丘駅のとなりの駅です。
自由が丘はオシャレな街として全国レベルの知名度を誇ります、
九品仏界隈を含めた周辺は高級住宅街になっています。


九品仏駅は島式ホームの1面2線。改札が上下線路の間にあるため、
踏切を渡らないと駅にはいることができません。
ここからホームに入っていき、4両分しかないホームの先をいくとこちら側も踏切。
両側が踏切だからホームを延ばせないんですね。


実際に列車が停まっているところを見てみましょう。
左側の溝の口方面は、先頭車が踏切にはみ出して停まっています。
右側の大井町方面も後尾車が踏切上に停まっています。こちら側は、車掌さんが乗降の確認や前4両のドア開閉のために列車から降りられるよう木製の車掌台が設置されています。


ホームの外からも見てみましょう。
列車が停まっている間は踏切を渡ることはできません。
また、右側の写真で4両分のホームの土台を見てみると、
大井町寄り(写真右寄り)がコンクリートなのに対し、溝の口寄り(写真左寄り)が鉄骨で支えられています。
もしかして、昔はホームはもっと短くて、なんとか頑張って4両に伸ばしたんでしょうか?


このようなドアカット駅は、鉄道マニアとしては垂涎の存在ですが、
お客さんにとっては不便だし、住民のみなさんも踏切を遮断時間も長く、
危険なのは事実です。
そこで、東京都目黒区では、九品仏駅を含めた自由が丘駅周辺の立体交差事業
(地下化や高架化)の調査検討を進めているようです。
東横線・大井町線立体交差化の推進 目黒区www.city.meguro.tokyo.jp
首都圏の駅でもいくつかドアカットは残っています。
江ノ電の腰越駅ではホーム長3両分のため、4両編成の列車は鎌倉寄りをドアカットします。
東武スカイツリーラインの始発駅浅草駅はホーム長はあるものの、先端部が急カーブになっているため、ホームと車両の間が広すぎて危険なので、先頭2両をドアカットします。
横須賀線の田浦駅はホーム長が10両分のため、11両編成の列車は
先頭車両と2両目のドア1箇所をドアカットします。
この駅はホームの両端がトンネルなのでホーム延伸が難しいようです。



このほか、地方路線では、繁忙期に列車を増結するときに限りドアカットを行うことも多いようです。
今度お出かけで降りる駅はドアカット駅かもしれません。
車掌さんの案内に注意して出かけてくださいね!