ボクの息子はもう子鉄じゃないかもしれない。

子鉄(?)ヤンヤン(中1)の父であり、実写版アラレちゃんの娘ミーミー(小3)の父が、鉄道や子育てを楽しみながら、地方鉄道を救済していく物語です。子供の「だいすき!」「やってみたい!」を大切に子育てをしています♪ 子鉄応援ありがとうECショップ「でんしゃデパート」もやっています。本業はとある鉄道会社のSDGsおにいさん。なので、専門的な記事もあります。

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駅ナンバリングでわかる鉄道会社のパワーバランス

みなさん、こんにちは😃

東京オリンピックパラリンピックは異常事態のなか開催を終えることができました。

ほとんどの試合が無観客となり、期待されていたインバウンド需要も残念ながら、実現しませんでした。

しかし、その準備として取り組んできたいろいろや施策は決して無駄にはなっていません。

その一つが、鉄道会社による駅ナンバリングです。

外国の方をはじめとした不慣れな方のために、駅ごとに設定したこのマーク、実は鉄道会社同士の泥臭い覇権争いが見えてくるのです!(ほぼ妄想)

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京急本線井土ヶ谷駅は"KK42"

1.駅ナンバリングとは

駅ナンバリングとは、路線に不慣れな方向けに作られた、駅ごとの記号です。

主にアルファベットで路線を表し、番号で駅を示します。

アルファベッドは、1文字または2文字で表し、鉄道会社で統一しているパターンと、路線ごとに分けるパターンがあります。

例えば、京成電鉄は、本線のほかに千葉線押上線、金町線などがありますが、すべでKSで始まり、あとは番号で区別しています。

対して、小田急電鉄は、小田原線がOH、江ノ島線がOEと、路線ごとに分けています。

番号は多くは起点駅から順番に振っていきますが、アルファベットを統一している会社は2桁まで路線を区別することがあります。

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京成金町駅は、支線の金町線の起点駅だが、本線とも連携して"KK51"

 

2.覇権争いの中身

覇権争いとは、ズバリ、アルファベットの取り合いです。

日本は全国に路線網が張り巡らされており、たくさんの鉄道会社とたくさんの路線があります。

さらに、駅の数も多く、株式会社ナビットの駅データベースによれば、2020年3月14日現在で約9,249駅あるんだそう。

駅ナンバリングが必要な駅は限定的だったとしても、会社ごと、路線ごとにアルファベットを適切に細分化しないと、数字の桁数が大きくなりすぎてしまいます。

特にアルファベット1文字目は会社名を入れたいため、熾烈な争奪戦が繰り広げられています。

 

2."J"争奪戦(JR東日本JR東海JR西日本)

まずは、"J"争奪戦です。

”J”で思い当たるのは、やはりJRグループ

栄えある"J"を勝ち取ったのは、JR東日本でした。

JR東日本駅ナンバリングは、"J"を1文字目、路線名のイニシャルを2文字目に置いています。

例えば、山手線は"JY"、京浜東北線は"JK”となります。

しかし、路線数が多いので、山手線に"Y"を奪われた横須賀線は"JO"、湘南新宿ラインに"S"を奪われた埼京線総武線はそれぞれ"JA"、"JB"など、社内でも争いがあったようです。

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本当は"JY"になりたかった横須賀線逗子駅

そんな中、JR九州「海を挟めば関係ない」とばかりに、堂々と"J"を使ってきました。

路線を表す2文字目は"A"から順番に割り振っていて、鹿児島本線は"JA""JB"、福北ゆたか線が"JC"、香椎線が"JD"などです。

特にケンカになっている様子はないです。

 

"J"を勝ち取れなかったJR東海は、"JR Central"の"C"を使うことにしました。

路線ごとにアルファベットを決めていますが、頭文字ではなく、"A"から順番に割り振っていく方式で、東海道本線が"CA"、御殿場線が"CB"、身延線が"CC"などとなっています。

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小田急新松田駅と接続する御殿場線松田駅は"CB04"

 

さらに、他のJR北海道西日本四国の3社は会社を表す1文字目は使用せず、路線を表す1文字目のみを使用しています。

JR西日本は、”A”から順番に割り振っていて、東海道本線北陸本線が"A"、湖西線が"B”、米原で接続するJR東海に忖度したのか、"C"は欠番で、奈良線が"D"などです。

JR西日本は、もともと路線にアルファベットをつけていて、列車の方向幕にも路線アルファベッドが記載されています。

 

JR四国は、路線名のイニシャルを使用していて、予讃線が"Y"、土讃線が"D"などです。

土讃線は長いせいか、高知駅窪川駅間は"K"となっています。

 

JR北海道は、特急列車の系統を基準に、主要駅のイニシャルを使用しています。

例えば、特急北斗などが走る札幌駅から函館駅千歳線室蘭本線経由)は、函館の"H"で、札幌駅のナンバリングは、多くの特急列車の起点となるためアルファベットはつけずに単に"01"となります。

なお、新幹線には駅ナンバリングはありません。

 

3."T"争奪戦(東武、東急、東京メトロ)

"T"の争奪戦は、東武鉄道が制しました。

根津財閥を前身とし、現在も根津氏が社長を務める財閥の血筋がものを言ったのかもしれません。

東武スカイツリーラインが"TS"、東武伊勢崎線東武動物公園駅以北)が"TI"、東武日光線が"TN"などです。

このルールで行くと、東武東上線は"TT"兄弟ですが、有料着席列車TJライナーへの配慮もあったのか、"TJ"となっています。

なお、"TT"兄弟は、多摩都市モノレールが使用しています。

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東武東上線の始発駅"TJ01"池袋駅

 

敗れた東急は、路線名をDAIGOさんっぽく東横線が"TY"、田園都市線が"DT"などとなっています。

東京メトロは、路線名のイニシャル1文字とし、銀座線が"G"、千代田線が"C"などです。

なお、半蔵門線は、"H"が日比谷線に取られてしまったので、"Z"となってしまいました。

 

4."K"争奪戦(京急、京成、京王、京阪、近鉄)

"K"争奪戦は5社を絡む壮絶な争いでしたが、なんと!みんなで"K"を使う平和的な解決をしています。

京急は"KK"、京成は"KS"、京王は"KO"、京阪は"KH"という感じです。

なお、運転系統が分かれている京王井の頭線は"IN"、京阪大津線石山坂本線京津線)は、"OT"となりました。

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サンリオピューロランドの最寄り駅の京王多摩センター駅は、"KO41"

 

近鉄は、"K"を自ら捨てて、難波線奈良線を"A"、京都線橿原線を"B"などとしています。

ただし、近鉄線はJR西日本と接続する駅も多く、JR西日本東海道本線の"A"、湖西線の"B"と混同されてしまうのではないか、冷や冷やしています。

 

しかし、ここに思わぬ伏兵が潜んでいました。

青森県を走る弘南鉄道です。

弘南鉄道は、弘南線大鰐線を運営しています。

なんと!弘南線を"KK"としてしまい、京急と被ってしまったのです。

しかし、京急が大人な対応をしたのか、遠く離れているからか、併存している状況です。

このルールで行けば大鰐線は"KO"になり、京王電鉄と被るのですが、何か忖度があったのか、京王に弱みを握られているのか、"KW"ということになっています。

 

5."H"争奪戦(阪急、阪神)

阪急阪神ホールディングス内の不毛な"H"争奪戦阪急が"HK"、阪神が"HS"ということで、落ち着いています。

ただし、阪急は大阪梅田駅から放射状に3方向に路線が広がり、駅数は90駅。"HK"だけでは結構おなかいっぱいです。

 

6."O"争奪戦(小田急、大阪メトロ)

”O"争奪戦は、関東と関西で別々なので、特にバッティングの様子もありません。

小田急小田原線から登山電車からケーブルカー、ロープウェイまで一気通貫のナンバリングで「箱根」の"OH"を使っているのが特徴です。

大阪メトロは、東京メトロと同様に路線名のイニシャルを使っており、御堂筋線が"M"、中央線が"C"などです。

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早雲山駅は、ケーブルカーからロープウェイに乗り換える駅だが、新宿駅からの連番で"OH62"

 

8.自社名に関心がない組(名鉄西鉄)

名鉄西鉄は、もともとバッティングする鉄道会社がないので、まったりとやっています。

名古屋鉄道は路線も駅も多いので、東急と同じDAIGO方式

名古屋本線が"NH"、犬山線が"IY"ですが、名鉄は路線名が細かく分かれている特徴があるため、2路線をくっつけたアルファベッドもあります。

例えば、常滑線空港線は"TA"。おそらく"A"は"Airport"のことだと思います。

そのほか、蒲郡線西尾線で"GN"、竹鼻線羽島線で"TH"などもあります。

 

西日本鉄道は、天神大牟田線が"T"、太宰府線が"D"などシンプルです。

しかし、西鉄の他の路線とつながっていない貝塚線は、「西鉄」の"N"をつけて、"NK"となっています。

これは、福岡市営地下鉄空港線が"K"を使用しているためで、貝塚線貝塚駅福岡市営地下鉄箱崎線と乗り換えられるため、一定の忖度があった模様です。

 

9,まとめ

このように、駅ナンバリング重複してお客さまに迷惑をかけないように、会社間で仁義なき戦いを繰り広げて決められていました。

インバウンドも含めて、これまで以上に鉄道を利用する人が増えて、駅ナンバリングが活躍できつようになるといいですね。

余談ですが、新京成電鉄は、たぶん"SK"にしたかったんだしょうが、西武国分寺線が"SK"になったため、泣く泣く"SL"となりました。

大手には勝てなかったのか・・・しかし、"L"ってなんだデスノート

他にも、伊豆急行伊豆箱根鉄道の"I"争奪戦などもあるので、ぜひ調べてみてください。

ja.wikipedia.org

 

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