ボクの息子はもう子鉄じゃないかもしれない。

子鉄(?)ヤンヤン(中2)の父であり、実写版アラレちゃんの娘ミーミー(小4)の父が、鉄道や子育てを楽しみながら、地方鉄道を救済していく物語です。子供の「だいすき!」「やってみたい!」を大切に子育てをしています♪ 子鉄応援ECショップ「でんしゃデパート」もやっています。本業はとある鉄道会社のSDGsおにいさん。なので、専門的な記事もあります。

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2030年東北地方の気動車が消滅する「ゼロカーボン・チャレンジ2050」とは!?

エモ鉄ヤーコンです。こんにちは😃

エモ鉄とは、電車に乗ってエモい体験を楽しむことがマニアのことです。

さて、鉄道のエモのひとつに、古い気動車(ディーゼルカー)というのがあります。

しかし、これらはいつまでも見られるわけではないようです。

特に、いまでもかなり多くの気動車が走っている東北地方は危ないかもしれません。

<目次>

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非電化区間の主力キハ110形(写真は関東地方の八高線

1.JR東日本ゼロカーボン・チャレンジ2050

JR東日本は、「ゼロカーボン・チャレンジ2050」と題した環境戦略を進めており、2022年2月にその取り組みがニュースリリースで公表されました。

「ゼロカーボン・チャレンジ2050」とは、JR東日本グループ69社のCO2排出量を2050年までに実質ゼロにする目標のことで、2013年度では合計265万トンの排出がありました。

今回の公表では、2030年度の中間目標が発表され、グループ全体で2013年度比50%削減、東北地方におけるCO2排出量を実質ゼロにする宣言がなされました。

まずは、2022年度に常磐線で使用する電力を再生可能エネルギーに転換します。

再生可能エネルギーとは、発電時に石炭や石油などの化石燃料を使用せずCO2を排出しない電力のことで、太陽光、水力、風力、地熱発電などが該当します。

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再生可能エネルギーによる運転が予定される常磐線

2.温室効果ガススコープ1 、2、3

気動車の話をする前に、地球環境問題の知識をインストールしておきましょう。

地球の平均気温が上昇し、異常気象や食料問題などを引き起こす地球温暖化問題は、人間の社会活動に伴う温室効果ガスの排出が原因であることが、証明されています。

温室効果ガスの代表が二酸化炭素(CO2)ですが、牛のゲップなどに含まれるメタンガスなども地球温暖化の原因のひとつです。

地球温暖化は地球全体の問題なので、自分だけ頑張っても効果がありません。

そこで、温室効果ガス排出量の測定には3つの分類があり、特に企業はこの3つをしっかりと削減することが求められています。

 

<スコープ1>

直接排出。自分たちが何かを直接燃やして排出された温室効果ガス。気動車は、軽油を燃やして走っているため、これに該当

 

<スコープ2>

間接排出。自分たちが何かのエネルギーを使用するにあたり、そのエネルギーを作るために排出される温室効果ガス。電車は電気を使用して走るため、その分の発電のために東京電力東北電力発電所で排出される温室効果ガスが該当

 

<スコープ3>

サプライチェーンによる排出。自分たちが活動するために調達した取引先での排出量。例えば、電車の車両を購入した場合、その車両を作るために工場で排出された温室効果ガス。

 

3.必然的に気動車は消滅

JR東日本が掲げるCO2削減量は、そのうちスコープ1とスコープ2を指しており、スコープ3は入っていません。

スコープ2をゼロにするためには、再生可能エネルギーを使用すれば実現できます。

ただし、再生可能エネルギーは特に日本では発電効率が悪い一方、たくさんの企業から需要があるため、省エネルギーへの努力と、自分で電気を作る創エネの取り組みが必要です。

問題はスコープ1です。

これからは軽油などの化石燃料を燃やすことができなくなるので、必然的に気動車は使えなくなり、別のエネルギーに転換する必要があります。

気動車が走る非電化区間を電化するやり方もありますが、変電所や電線を建設する必要があり、莫大なお金がかかってしまいます。

現実路線として、蓄電池を使用した列車があります。

電線がある場所で充電しておき、その電気で走ります。

実際には、JR九州では、蓄電池を搭載したDEC819系電車(通称DENCHA)が実用化されており、非電化区間香椎線などを走っています。

JR東日本でも蓄電池駆動のEV-E301系EV-E801系などが烏山線男鹿線などで活躍しています。

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烏山線を走るEV-E301系。非電化区間走行時はパンタグラフをおろしている。
(画像出典:JR東日本

もうひとつは、いま注目されている水素電車です。

車両に水素タンクが搭載され、水素エネルギーで発電をしながら走ります。

蓄電池電車は、充電する電気を再生可能エネルギーで調達しなければ、スコープ2の排出量をゼロにしたことにはなりませんが、水素電車ならば、発電時に水を排出するのみなので、温室効果ガスの心配がいりません。

JR東日本は、水素電車HV-E991系を開発し、現在では神奈川県川崎市の南部支線などで走行試験を行なっています。

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FV-E991系イメージ図。(画像出典:JR東日本

4.JR東日本の自信

JR東日本の環境戦略によれば、東北地方の非電化区間の列車は、これらの先進的な車両に置き換わることになりそうです。

力強いエンジン音のディーゼルカーがなくなってしまうのは寂しくもありますが、僕たちの子や孫が安心して暮らせるように、豊かな地球を残していきたいものです。

で、長期的にというわけにはいきませんが、小湊鐵道ひたちなか海浜鉄道のように、ちょびっと気動車の活躍の場を他の路線で用意してもらえると嬉しいかなと思います。

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キハ40形が好きです💛

 

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