ボクの息子はもう子鉄じゃないかもしれない。

子鉄(?)ヤンヤン(中1)の父であり、実写版アラレちゃんの娘ミーミー(小3)の父が、鉄道や子育てを楽しみながら、地方鉄道を救済していく物語です。子供の「だいすき!」「やってみたい!」を大切に子育てをしています♪ 子鉄応援ありがとうECショップ「でんしゃデパート」もやっています。本業はとある鉄道会社のSDGsおにいさん。なので、専門的な記事もあります。

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日本一の駅近ガスタンクの爆発で上田駅は滅びるのか。それとも脱炭素を実現するのか。

駅近ガスタンクをお探しの方に朗報です。

ヤーコン調べでは、日本一駅近のガスタンクは、長野県上田市上田駅にあります。

相鉄本線平沼橋駅付近でも電車から見えますが、上田駅のガスタンクはなんとホームのほぼ真横にあります。

今回のブログでは、
「え?駅近ガスタンクって危なくないの?」
「え?ガスって環境に悪くない?」

の2つの疑問に答えます。

 

<目次>

 

1,真田幸村をリスペクトする駅。

上田駅は、北陸新幹線が停車する駅で、東京駅から見て長野駅の1つ手前の駅です。

在来線では、旧信越本線しなの鉄道線と、東急グループ上田電鉄が通っています。

上田の名所はなんといっても上田城

戦国武将として名高い真田氏の居城で、毎年GWのはじめに、上田真田祭りが行われますが、2022年度は秋に延期だそうです。

2016年に放送された大河ドラマ真田丸で一躍有名になり、大河ドラマ終了後も、真田昌幸役を務めた草刈正雄さんが上田真田祭りの武者パレードに参加してくれているほか、上田城では、地元の皆さんによる決戦劇や、火縄銃の演武もあります。

コロナ前に1度見に行きましたが、火縄銃の天空を揺るがすような轟音はぜひ1度体験してほしいですし、パレードの草刈正雄さんはとにかくカッコいいです。

とにかく至るところで真田氏をリスペクトしており、駅も含めたいたるところに真田氏の家紋の「六文銭」、駅前には真田幸村銅像もあります。

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上田駅駅前ロータリーの真田幸村像。

2,ガスタンクではない。

そんな上田駅しなの鉄道線のホームは地上にあります。

そして、そのホームに隣接するように上田ガスガスタンクがありますが、正式にはガスタンクではなく、ガスホルダーといいます。

上田ガスは、上田市全域を中心にガスの供給を行っていますが、そのガスは、帝石パイプライン(東京ライン)を通じて供給され、このガスホルダーに届けられます。

ここでにおいを付けるなどして、各家庭に供給されるのです。

家庭のエネルギー需要は、電気と同様に時間帯によってピークとオフピークがありますが、ガスの最大のメリットは、このガスホルダーにガスを貯めておくことで、ガス需要に柔軟に対応できることです。

オフピークの時にガスホルダーにガスを貯め、ピーク時に放出して、ガスホルダー内は空に近い状態になります。

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上田駅に入線する115系の後ろに見える2基のガスホルダー。

3,ガス爆発したら上田駅は滅ぶよね。

で、こんな駅近にガスホルダーがあり、ガス爆発を起こさないか心配になります。

ガスは家庭に供給されるものなので、当然市街地にあったほうが都合がいいです。

一方の安全性ですが、まず、ガスホルダーを含めた一連のガス施設は、「ガス工作物技術基準」なるものが定められており、耐震性能も含めた一定以上の強靭性を備えることが決められています。

ガス爆発の要件は、「閉じられた空間でガスが空気に触れ、そこの着火元が存在する」ことだそうなので、空気が入り込む余地がないガスホルダーは基本的に爆発しないんだそうです。

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ガスホルダーに隣接する上田駅

4,未来のクリーンガス合成メタン

都市ガスやプロパンガスは、燃焼時にCO2を発生するため、オワコンという説があります。

日本をはじめ世界は2050年を目途に脱炭素社会の実現を目指しており、太陽光や風力などの自然エネルギーに取って代わられてしまうと考えられるからです。

ただし、このような再生可能エネルギーにも弱点があります。

  1. 太陽光は夜の発電ができないほか、天候に左右され、発電量が不安定。
  2. 火力発電や原子力発電に比べて発電効率が悪い。
  3. 遠くへ運べない。(電圧が下がってしまう)
  4. 貯蔵できない。

一方、ガスはパイプラインによる輸送やガスホルダーによる貯蔵ができるため、これらの弱点をクリアすることができ、特にガスの場合は熱需要に対して強力なエネルギー源になります。

その強みを活かしつつ、脱炭素社会に向けて研究が進んでいるのが、合成メタンガスです。

合成メタンガスは、CO2と水素を合成して生成するガスです。

現在の都市ガスやプロパンガスと同様燃焼時にCO2が発生しますが、ガス生成時にCO2を使用するため、発生と使用でプラマイゼロになり、実質的に脱炭素を達成するという仕組みです。

ただし、そのためには、空気中やCO2排出施設などからCO2を回収する技術などが必要で、その研究が現在行われています。

このような仕組みをメタネーションといいますが、メタネーションの最大のメリットは、パイプラインやガスホルダーなどの既存のインフラを活用できることにあります。

再生可能エネルギーの研究も進んでいますが、ガスの研究も盛んに行われており、相互に補完しあいながら、必要なエネルギーの種類や、場所、時間、天気などによって柔軟にエネルギーを使い分けることができれば、地球環境への負荷を抑えながら、より豊かな社会が実現できるのではないかと期待されています。

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画像出典:資源エネルギー庁より
日本ガス協会カーボンニュートラルチャレンジ2050 アクションプラン」を一部修正

ガスのカーボンニュートラル化を実現する「メタネーション」技術|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁

 

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