いま、関西・大阪界隈では、「うめきた」新駅なるものが話題です。
しかし、関東の人間にはなんのこっちゃの話ですよね。
この記事は、「うめきた」新駅のすごさを解説します。これを読めば、そこから大阪の将来像も見えてきますよ😊
なお、筆者ヤーコンは神奈川県に住んでいます(笑)
1.大阪の中心は大阪・梅田
関東から大阪に向かうときは東海道新幹線を使うことが多いと思います。
しかし、新幹線が停まる駅が必ずしもその街の中心地というわけではありません。
新幹線が停まる新大阪駅は、ビジネス街としての発達はあるものの、文化や商業の中心といえばやはり大阪駅になります。
大阪駅は、東京では山手線に相当する大阪環状線が走っており、大阪各地への拠点となりますし、大阪駅の南北には、阪神大阪梅田駅、阪急大阪梅田駅があり、多くの地下鉄やJR在来線も乗り入れています。
対して、新大阪駅は、私鉄の乗り入れは無く、地下鉄も御堂筋線のみとなります。
2.新幹線の駅、なぜ新大阪駅?
新大阪駅から大阪駅に向かうには、JR京都線(東海道本線)や地下鉄御堂筋線で1駅2駅乗車する必要があり、大阪旅行の時はこれが煩わしく感じることでしょう。
この間、淀川を渡るということもあって、物理的・心理的ともに距離を感じてしまいます。
いろいろなブロガーさんの記事を見ますと、新幹線が大阪駅を通らない理由は、大阪駅前後で淀川を2回渡る必要が生じること、線形が急カーブになってしまうこと、大阪駅(梅田駅)付近の発展具合や地盤の問題などいろいろあるそうです。
これは、横浜駅と新横浜駅に関係と似ている部分もあるかもしれませんね。
3.関空特急はるか、なぜ大阪駅では停まらない?
そのような偉大な大阪駅にも関わらず、関西国際空港へのアクセス特急はるかは、大阪駅に停まりません。
特急はるかは、京都駅(野洲駅・草津駅)が始発で、JR京都線を通り、新大阪駅に向かいます。
そのままJR京都線を通れば大阪駅に入れますが、大阪駅ではJR京都線から大阪環状線に入るのが難しい線路の構造(配線)になっているため、新大阪駅からは、貨物の線路(梅田貨物線)を通って、大阪環状線に入ります。
梅田貨物線は、大阪駅の北側を迂回するように通っており、大阪駅の先の福島駅で大阪環状線に合流するようになっているため、大阪駅の近くは通るけども、停まらないというなんとももどかしい運用になっています。
4.おおさか東線、なぜ新大阪駅止まり?
関東人はそもそもおおさか東線を知りません。
おおさか東線は、新大阪駅が始発で、大阪環状線の東側を迂回するように走り、環状線から放射状に伸びる学研都市線や関西本線(大和路線)などと接続する地味に便利な路線です。
貨物線を旅客化した路線で、その経緯や環状線との位置関係を踏まえると、関東でいう武蔵野線に例えても良いでしょう。
で、これが新大阪駅から1駅伸ばして大阪駅まで来てくれればもっと便利になるのですが、JR京都線線路は京都線自身のダイヤを考えると入り込む余裕がありません。
どこかに別の線路は作れないものでしょうか?
5.「うめきた」新駅は大阪駅の地下ホーム
これからの課題を一挙に解決する契機となったのが梅田貨物駅敷地の再開発です。
先ほど関空特急はるかのところで紹介した梅田貨物駅は、ちょうど大阪駅の北側にあり、大阪駅北地区再開発計画で生まれ変わる計画になっています。
梅田貨物駅は、2013年にすでに貨物駅としての機能は吹田貨物ターミナル駅や百済貨物ターミナル駅に移転されて廃止となっており、現在は一部が梅田信号場として機能しつつ、再開発工事の真っただ中にあります。
再開発に合わせて、梅田貨物線は地下化され、梅田貨物駅跡地に新設される地下駅が「うめきた」新駅です。
「うめきた」新駅は、北梅田駅と呼ばれることもありますが、大阪駅の地下ホーム(つまり、大阪駅)として扱われることになりました。
現在の大阪駅のホームからは徒歩6分ほどだそうです。
そして、この「うめきた」新駅が2023年3月18日に開業します。
同時にダイヤ改正も行われ、関空特急はるかがこのホームに停車し、念願の大阪駅停車を実現するほか、おおさか東線もこの地下ホームまで足を伸ばしてきます。
また、「うめきた」新駅地下ホームには特急車両と通勤型車両が入り混じって到着するため、世界初の扉の部分が移動するフルスクリーンタイプのホームドアが設置されます。
既存の路線を地下化する点と、地上部での大規模な再開発が行われること、交通アクセスの大幅な改善を踏まえると、関東で例えれば、東急東横線の渋谷駅が地下化し、副都心線との直通運転や埼京線・山手線ホームの改良、渋谷スクランブルスクエアなどの地上部の大規模再開発を行った事例と同じくらいの社会的インパクトがあると言えるかもしれません。
6.さらに便利になるなにわ筋線
しかし、大阪の進化はこれだけではありません。
もう1つ建設が進むなにわ筋線です。
特急はるかとならぶ関空特急として南海ラピートがありますが、ラピートはなんば駅が始発駅となっています。
南海なんば駅とJR難波駅から北に線路を伸ばし、この「うめきた」新駅と結ぶ地下路線がなにわ筋線です。
これにより、南海ラピートやその他の南海線の列車も大阪駅に乗り入れ、特急はるかも大阪環状線を使わずに関西空港へ向かうことが出来るようになり、大阪エリアの南北のアクセス改善が期待されます。
また、阪急神戸線、宝塚線、京都線が通る十三駅から「うめきた」新駅と新大阪駅を接続させる「なにわ筋連絡線」「新大阪連絡線」の計画も阪急電鉄が進めており、大阪駅と新大阪駅や大阪エリア全体の一体感を向上させ、回遊性やアクセスが大幅に改善することが期待されます。
ただし、関東人からすると、同じ駅名でまったく場所が違う問題(いまではだいぶ良くなりました)をはじめ、路線ネットワークがわけわかめなところから更なる進化を遂げることで、旅行の時はいっそうの勉強が必要になりそうです。
困ったときや、ヤーコンまでお気軽にどうぞ。
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【2022/1/21追記】
「うめきた」新駅始発で、おおさか東線経由で奈良駅に向かう特急まほろばが運転されるそうです。奈良駅までのアクセスはJRでは微妙だったので、嬉しいですね♪